夜でも明るい大都市圏に暮らしている人にとって、夜空の星はかなり縁遠い存在だ。実際、洋上の孤島や山深い場所から晴れた夜に見ることのできる「降るような星空」は、都会では絶対見ることができないし、また見たことのある人にしかわからない、非常に感慨深い光景である。FarSkyは、こうした「星が豊富に見える」星空を、PCの画面上に再現してくれる。しかも必要とあらば、星座線や星座名、恒星名までも表示されるという解説付きでだ。
星が豊富に見える場所では、つい自分がよく知っている星座を探してみたり、星の名前を知りたくなったりするもの。複数名で旅行に出かけた際に、そうした「普段は使わない知識」を披露したりしてみるのもよいかもしれない。
星の名前や星座の名前を調べるだけなら、書店などで販売されている「星座早見板」が使える。とはいえ、これは自分の現在位置や時刻によって回転盤を回転させたりしなければならないなど、使い方にも知識が必要だし、なにしろ暗い夜のことなので、実際に星を見ながら扱うのは難しい。だが、このFarSky 天球図をノートPCにインストールしておけば、バックライト表示のおかげでいつでも手軽に星座を確認することができる。
もっとも、せっかくの美しい星空の下でノートPCを広げるのもかなり無粋だ。やはりここは、事前にこのソフトを使って星座名などを「予習」しておくのが妥当なところか。観測地や時刻を自由に設定できるので、そうした予習にも向いているのだから。
(天野 司)